●検査の合併症

• 1. 出血
  検査の後には軽い血尿を伴いますが2～3日で解消されます。時に強い血尿、感染症（発熱）を併発する事もあります。
• 2. 感染症
  前立腺炎の場合、発熱と排尿困難を生じます。精巣上体炎を起こした場合には陰嚢部の腫脹と痛み、発熱等が起こります。尿道カテーテル留置や抗生剤投与、点滴加療を要する場合があります。場合によっては、近隣の総合病院での入院を要することもあります。
• 3. 局所麻酔アレルギー
  まれに局所麻酔に過敏な反応を示す方がいます。過去に抜歯や小手術などで局所麻酔剤による過敏な反応を生じたことのある方は必ず申し出てください。
• 4. 深部静脈血栓症による合併症
  稀にみられる重篤な合併症として深部静脈血栓症による合併症もありえます。これは他の手術全般におこりえる合併症です。いわゆるエコノミークラス症候群としてご存知の方が多いと思います。

●検査の流れ

1. 1 まず腰椎麻酔を行った後に体位をとります（砕石位）。
2. 2 下図のように肛門から超音波プローべ（経直腸的超音波）により前立腺を観察します。基本的には超音波を見ながら生検を左右6ヶ所ずつ、会陰部より針を刺して、組織を合計12ヶ所採取します。
   採取した組織量が少ない場合や、MRIで前立腺癌を疑う所見がある場合など、場合によっては増やす事もあります。
   
3. 3 止血を十分確認し操作を終わります。
4. 4 細い尿道カテーテルを挿入し、尿を採取します。
5. 5 1～2時間程度、ベッドで経過観察します。
6. 6 問題がなければ、ご帰宅いただき、自宅で経過観察いただきます。

●膀胱鏡検査とは

膀胱内部を観察し腫瘍の有無を判断します。以前は硬性鏡という金属製の内視鏡でしたが、現在は柔らかファイバースコープと以前より痛みが少ない検査となりました。診断に必須の検査で、外来通院で行えます。
また、排尿障害がある場合、前立腺肥大手術の際の術前評価を行う場合などに行います。膀胱腫瘍や膀胱結石、尿道狭窄、前立腺肥大症、間質性膀胱炎など膀胱～尿道の疾患の有無や病気の評価を行う目的で行います。軟性ファイバースコープを用いて行い（状況に応じて、硬性膀胱鏡を使用する場合があります）、検査時間は5～10分程度です。
当院でも、積極的に検査を行っておりますので、検査を希望される方は、遠慮なくお申し出ください。

●検査の合併症

血尿、尿道損傷、疼痛、感染、発熱、麻酔薬（ゼリー麻酔）に対するアレルギーなどがあります。検査後は、数日間、血尿や残尿感、排尿時の違和感・疼痛、頻尿が出る場合がありますが、徐々に軽減することがほとんどです。ただ、これらの合併症が継続するばあいには、ご相談下さい。

●検査の流れ

1. 1 検査室に入室後、検査用のベッドに横になっていただき、体位をとります（砕石位）。
2. 2 陰部の消毒を行います。男性の場合は、キシロカインゼリー（局所麻酔薬）を尿道から注入いたします。
3. 3 ファイバーを尿道口から挿入していき、検査を開始します。（検査時には、膀胱内に生理食塩水を注入し、膨らませるため尿意が強くなることがあります。）
4. 4 膀胱内の観察が終了したら 、ファイバーを抜き検査終了となります。

●検査後の注意

検査後は軽度の血尿が出ることがあります。こまめに水分摂取していただきます。徐々に改善することがほとんどです。また、膀胱炎を予防するため、2～3日間の抗生剤を処方いたします。
検査当日から普段通りの生活を行っていただいて問題ありません。入浴や飲酒、運動は可能ですが、循環が良くなることで血尿を来すことがあります。
検査後、2～3日間は、血尿や排尿時痛、頻尿、残尿感などが継続することがあります。通常は徐々に改善していきますが、改善せずに症状が増悪したり、治まらない場合にはご相談ください。

膀胱癌と診断された場合には、経尿道的治療が必要となりますので、近隣の関連病院に紹介させていただきます。